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「自然栽培ササニシキ」ネットワーク
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▼人と自然、お米を「食べる人」と「作る人」との関係を考えていきます

 無農薬の稲作「病害について」
  「難しいササニシキ」の項でも記しましたが、宮城県で最も問題となる病害に「イモチ病」があります。

 イモチ病は湿気が多く、冷たい気団「やませ」によりもたらされます。

 これへの対策として、私達はまずは生命力の強い苗を育てるため、苗代育苗を行うわけですが、田植え時にはできるだけ苗と苗の間隔を広げて田植えするように努めています。

 こうすることで成長した稲の間隔が広くなり、風通しを良くすることで湿気がこもらない「稲環境」に配慮するわけです。

 また、有機栽培は、そもそもイモチ病に強いと言われています。
平成15年、冷害によりイモチが拡大した水田
それは化学肥料栽培が、年ごとの気候の変化に関係なく稲に養分を供給するのに対し、有機肥料は天候の変化に応じて肥料が分解するためです。
 そのため稲はその年ごとに気候に合わせて成長することができます。

 気候が冷涼なのに、それと関係なく稲が生長し、葉を広げていくならば稲はよりイモチに罹りやすい環境となります。

 そして冷涼であるのにかかわらず、稲が出穂するならば、さらにイモチの被害を受けるリスクは高まっていくでしょう。化学肥料栽培は、こういった部分でイモチ病へのリスクを高くしていきます。

 一方で天候の変化に合わせて成長する有機栽培の稲は、気候が回復するまで稲の生長を抑え、出穂の時期も遅らせていきます。


 
平成18年6月19日撮影、左側が慣行栽培、右側が自然栽培、1ヶ月ほど自然栽培の田植えが遅い
そして、例え東北地方の大平洋側では「やませ」が覆いやすいとは言っても、8月も半ばを過ぎれば、かなりの確率で天候が回復してきます。

 もし稲がその年々の「息吹」に合わせて成長することができるならば、イモチのリスクを少なくすることができるでしょう。

 私達はさらに、稲の出穂時期が冷涼な天候を避けられるよう、田植え時期も通常より一ヶ月近く遅らせるよう工夫しています。

 さて、ここまで書いて、実はイモチ病の原因は単に「やませ」といった冷涼な気候にだけ原因があるのではなく、もう一つ大きな原因があることに気が付いた方もいるかと思います。 

 そのもう一つ大きな原因とは、

多収穫を目指す稲作

にあります。

  同じ面積からできるだけ多くの収穫が得られ、そして収入を
平成18年秋、豊かに稔った自然栽培のササニシキ
増やしたい。これは多くの農家が考える本音です。

 そのため、可能な限り、田植えする苗と苗の間隔を狭め密殖とし、そしてできるだけ多くの肥料を与えるのです。

 こうすることにでより多くの収穫量が得られるわけですが、しかしこれでは「イモチ病」のリスクも高めてしまう結果にもなります。

 化学肥料の普及、そして多収穫型の稲作、これがササニシキが廃れていたった大きな要因なのかもしれません。この背景には米価の低迷があると考えています。

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