無肥料の稲作「水が与える自然の恵み」


 実を言いますと、水田には「水を張る」といった畑とは異なった特徴から、それだけで人が肥料を投入しなくても、ある程度は作物を収穫できる理由があります。


水がもたらす養分


 水田は畑とは異なり水を灌漑しますが、その水には「水=H2O」だけでなく、少なからず窒素、リン、カリなどの稲に必要な養分が含まれています。


 結論から言いますと、水田は「無肥料」であっても、灌漑水がもたらす養分だけで、ある程度の収穫を期待することができます。


「雷の多い年は豊作になる。」

効率的な天水利用のため、必要な時
期に用水を灌漑する農業用ため池

 これは農家の間でしばしば聞かれる言葉です。たぶん、長年の稲作経験から発せられる言葉なのでしょう。これの真偽のほどは定かではありませんが、理屈としては理解できなくもありません。
 どういうことかと言いますと、雷の電気作用により雨水に空気中の窒素が固定され、それが水田に降り注いだり、あるいは灌漑水として供給されることで稲の養分となる、といった理屈です。
 この話はあくまで理屈だけですが、実際のデータとしては、明らかに水田に灌漑される用水には稲作にとっては不十分であっても、無視できない程度の養分が含まれているということです。


水がもたらす土壌構造の変化


 そして「水を灌漑する」といった効果は、単に「水に含まれた養分を補給する」だけではなく、それ以外にも重要な効果をもたらします。


 水を灌漑し、水田を湛水させると水没した土壌は還元状態(酸素欠乏状態)になっていきます。


 このように土壌が変化すると、土壌と結合していたリンが分解し、作物に吸収し易い状態となって水に溶けだしてきます。

初夏の頃、山岳の雪解け水が里に向
かって流れていく

 以上のように、水田は水を灌漑することで、作物への養分補給にも効果が発揮されるわけです。


 つまり「水」これを水田に灌漑することそのものが、肥料を与るのと同じ効果を持つのです。


 この意味で、水田とはまさに「水田」であり、このような農業の恵みを受けることができるのも、


日本がアジアモンスーン気候に属し、


その気候的特徴から潤沢な水資源を活用できるためです。そのため、私達はもっと、


この豊な自然に感謝するべきなのかもしれません。


  稲にとって重要な養分として「窒素」、「リン」、「カリ」の三大要素が挙げられますが、窒素さえ補給できればリン、カリを補給しなくても、肥料を投入した場合とほとんど変わらない収穫量が得られるとの試験結果もあります。


 このため、無肥料の稲作を考えるにあたっては、窒素の補給をどのように解決するかが大きな課題となるのです。


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