無肥料の稲作「自然栽培稲作の収穫量」


 以上のように、私達の考える自然栽培としての「無肥料・無施肥」稲作の可能性を記してきました。
 しかしながら、無肥料により実際の稲作の収穫量はどのように変化してきたのでしょうか?
 それを下記に紹介します。

◆宮城県栗原市志波姫 菅原水田

年度

H16年作

H17年作

H18年作

H19年作

収量

6.5俵/10a

4.6俵/10a

5.4俵/10a

4.0俵/10a

注)平成19年作では、農閑期の灌漑(冬期湛水)を行っていない。


◆宮城県石巻市北村 遠藤水田

年度

H16年作

H17年作

H18年作

H19年作

収量

6.5俵/10a

6.5俵/10a

6.5俵/10a

6.5俵/10a



 宮城県における「農薬・化学肥料を使う」通常の稲作の収穫量はおおよそ9俵程度です。そして一般的に有機栽培の稲作は、通常の稲作(「農薬・化学肥料を使う」)に比較して収穫量が8割とされ、そして無肥料栽培であれば、6割程度とした試験結果もあります。


 これから考えると、上記三水田の「無農薬・無肥料」稲作の収穫量はおおよそ妥当なものと判断できるかもしません。


 また平成16年以降、4年作継続して、この程度の収穫量を維持できたのは、ある程度「水」、「土」、「生き物」を通じながら「田んぼ本来の力を引き出す」稲作の効果があったからだと考えています。


 しかしながら、上記いずれの水田でも、収穫量は減少傾向にあります。
 特に、平成19年作の菅原水田では収穫量が減少していますが、これは、この年に冬期湛水を行っておらず、これが少なからず影響しているように感じます。
 ちなにみに、江戸時代の平均的収穫量は2俵とされ、戦前までは5俵程度が一般的な収量でした。


人の田んぼも腹八部


 以上述べたように実際のところ、私達の無肥料稲作はそれほど大きな効果を上げているとは言い難いようです。それでも、とりあえずはこの「肥料を使わない稲作」を継続していこうと考えております。


 私達が収穫量に目をつぶっても「無肥料」を継続しようとする理由は冒頭に記しましたが、


ササニシキと相性の良いに無肥料稲作


 の効果に重きを置くためです。


 この効果を下記に記してみます。

ササニシキは病害になりやすく、倒伏しやすいが、無肥料栽培はこのリスクを少なくできる。


一般に蛋白質の多い米は渋味が増すと言われるが、無肥料栽培は蛋白質の主要な構成要素である窒素供給を少なくするので収穫する米も蛋白質を少なくでき、味覚を向上できそうである。


使用する肥料により米の味覚は変化するが、ササニシキ本来の「さっはり系の味覚」を引き出すには、無肥料の自然栽培が一番と考えた。


 とは言いながらも、収穫量の減少度合いによっては、肥料の投入も検討しなければならないのが本音です。その事態が何年後に訪れるのかは、それこそ毎年、稲の出来具合と相談していかねばなりません。


 しかしながら、大切なのは窒素が足りなくなるだろうとの予測のもとに「予防的」に窒素を補給するのではなく、窒素が足りなくなったとの結果により「対処的」に窒素を補給していく姿勢であると考えています。


 つまり水田における窒素収支をマイナス側で管理し、


人も田んぼも腹八分目が一番健康


 と考え、稲作に臨んでいるわけです。


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