自然とともに歩む稲作「縁の下の力持ち」


 メダカやドジョウ、カエルにトンボ、バッタやカマキリ、そしてそれを餌にする様々な鳥たち・・・

凍った田んぼの土を採取し、
イトミミズを調べる。

 農薬を使わなければ、そういった生き物が水田に溢れてくるのは容易に想像できますが、いったいそれがなぜなのか、これについて考えてみます。


 まず最初に、水田のイトミミズについてです。
 私達は、自然栽培稲作を通じながら、稲作とイトミミズの関係をいろいろ考察してきました。それを簡単に記せば下記のようになります。

イトミミズが増えると田面に流動性著しい土壌の膜が出来て雑草を抑制する。
→自然栽培による雑草抑制の可能性


イトミミズが増えると土壌からリンが水中に溶解し、藻が増え、それを捕食する様々な生き物が増えることで、偏った害虫のみが増殖するのを抑制する。
→自然栽培による害虫抑制の可能性


同じくリンが水中に溶解すると、ある種の藻等が増え、空気中から窒素を田面に与える効果を発揮する。
→自然栽培による無肥料稲作の可能性


 私達は最初に自然栽培稲作の可能性を追求するにあたってイトミミズに注目することにしました。


 と言うのは、この可能性の追求のために、水田における何らかの定量評価を行いたいと考えたのですが、そのための機材も調査器具もありませんでした。


 本当は土壌の残留農薬や窒素分、鉄分、雑草の種子量などを調べたかったのですが、それらはなかなか目に見えるものではなく、調査研究の素人である私達には、手に負えません。


 そこで、かろうじて目に見えて、しかもある程度の数が数えられるため定量な評価ができるイトミミズに注目したわけです。


 そして、自然稲作では劇的にイトミミズが増加するあろうとの結論に至ったのですが、その結果として水田内の生き物も増加するものとと考えています。


 私達の考える田んぼの中での食物連鎖とは上の図のようなイメージですが簡単に言えば


田んぼの生き物は低生生物量に比例して増える

春、たくさんのアカガエルの卵が
水田に産み付けられる。

という理屈です。実態はもっと複雑だと思いますが、おおよそのマクロ的視点から考えれば、そういうことだと理解しています。
 つまり、生き物たちにとって、低生生物は縁の下の力持ちとも言えるかもしれません。


 それでは、なぜこのような稲作により、イトミミズが増加し、そして生き物が増加するのでしょうか?


化学肥料が有機物の分解者をリストラする


 農薬がイトミミズなど水田に生息する生き物に害を与えることは容易に想像がつくかと思います。害虫を駆除する殺虫剤は文字通り、害を与えるのは言うまでもありませんが、除草剤や病害などの防除剤についても、こういった影響はあるでしょう。

通常は水田を乾かす冬期にあっても
水を張る「冬期湛水水田」


 また化学肥料ですが、これが生き物に与える害は農薬ほどではないと思われるものの、そかし生き物の存在、そのものが「リストラ」されるようです。


 というのは、化学肥料で稲作に養分を供給するわけですから、水田に肥料として投入する有機物そのものが必要となくなります。となれば、それを餌にするイトミミズなど低生生物の量も必然的に少なくなるわけです。


もっとも私達の稲作は有機肥料も投入しない無肥料栽培ですが・・・


 しかしながら、無肥料栽培だからこそ冒頭に掲げるような効果を期待して、田んぼの力を引き出し、生き物を豊かにしなければならないわけです。


 そのための工夫として農閑期(冬期~春期)にも水田に灌漑する「冬期湛水、ふゆみずたんぼ」を試行しています。


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